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喪失の悲しみを乗り越えて、新たな一歩を踏み出す

ロッキング・オン1月号の「洋楽ベストアルバム2023」に選出されたフー・ファイターズの11枚目のアルバム『But Here We Are』について、記事の一部を引用してご紹介します。

まず、アルバムのジャケット裏面に記された「フォー・ヴァージニア・アンド・テイラー」という文字は、デイヴ・グロールの母親であるヴァージニア・グロールと、長年のバンドメイトであるテイラー・ホーキンスへの追悼の意を表しています。

二人はともに2022年に亡くなり、グロールにとっては大きな喪失となったことは想像に難くありません。そのような状況の中、フー・ファイターズは新作の制作を決意し、2023年5月にツアーを開始、7月にはフジロックのヘッドライナーとして来日しました。

記事では、そんなバンドの状況を踏まえて、本作の音楽性について以下のように評しています。

あくまで平易な言葉で綴られた歌詞、同様に装飾とは無縁の音像からは、クリエーターとして“今”の心情を形にしなければならないという使命感以上に、音楽人生を先に進めていくためにこの局面にまっすぐに向き合おうとする真摯さが伝わってくる。

つまり、本作は、喪失の悲しみを乗り越え、新たな一歩を踏み出すための作品であるというわけです。

具体的な楽曲としては、リードシングルの「Love Dies Young」や、アルバムのタイトル曲である「But Here We Are」などが、そのテーマを象徴しています。

「Love Dies Young」は、恋愛の終わりを歌った曲ですが、その背景には、大切な人を失ったグロールの喪失感も重ねられているのではないかと考えられます。

「But Here We Are」は、タイトル通り「ここに私たちがいる」というシンプルなメッセージが込められた曲です。悲しみや苦しみを抱えながらも、それでも前を向いて生きていくという決意が感じられます。

本作は、フー・ファイターズがこれまでのキャリアの中で最も苦しい時期を経て、新たなステージへと進むための足掛かりとなった作品と言えるでしょう。